2011年8月3日水曜日

科学



片山先生が築地で買ったウニと山葵を持って引っ越し祝いに来てくれた
引っ越したらこれでお祝いするのが先生の中の習わしのよう
引っ越した人はご飯を炊いて待っていればよい

どんぶりに盛ったご飯にうにを豪快にのせる
すりおろした山葵を更にその上に
しょうゆを少したらして いただきます

幸せ
甘くて
色もオレンジと爽やかなグリーン
目にもおいしい
風鈴がチリーーーンと鳴った



『喜嶋先生の静かな世界』森博嗣(講談社 2010)を読んでいる
著者の森さんの自伝的小説ではっとすることが多い

少し参照
「研究には、やれば達成できるという確証がない。土に埋もれた鉱脈を探すようなものだ。何年も求め続け、結局は価値のあるものが存在しなかった、という場合だってある。否、駄目だということがわかるのは、まだそれなりの成果かもしれない。それさえ明確に示せない場合が最も辛いだろう。…(中略)
こんな生きた心地のしない稀有な世界だったけれど、僕はもう決めていた。もうしばらくここにいようと。いられるだけ、ここにいよう。自分の限界が知りたい。人間の限界を垣間見たい。そのためなら、それ以外のものが犠牲になっても良い、極端な話、自分の寿命が短くなっても良い、それだけの価値はあるのではないか。院生を半年くらい経験した頃には、僕は既にそう考えるようになっていた。」




それだけの価値のある世界にいられることを幸運に思い
僕は生きるためそして死ぬためにそこに賭けようと思う
自分の限界を知る限りない旅に出よう