地震の次の日に帰宅した時の家の様子は
空き巣に入られた時の記憶を思い出せた
今回は見えざる大きな手が引き起こしたことだというのが違う点
大体は棚の上の軽いものが落ちていた
滑りのよい引き出しは少し前へ出ていた
壁にかけた額は傾いていた
何かが少しずつ違うような家の様子
次の日の仕事に備えて準備をしていたが
キャンセルの連絡が入る
交通が大混乱
原発の事故のニュース
事態は関東でもやさしくなさそうだと感じた
次の日も「無理して来なくていい」と仕事がキャンセル
地震のニュースをずっとつけて情報を絶やさずにいた
そのせいか落ち着かず不安感にかられ
たくさん食べたり
地震で落ちたものなどを片づけられずに2日が過ぎた
ぼんやり横になったりした
これからどうなるんだろう 日本? 私。
その次の日も外へ出る仕事はなかったが
家の中で画像を処理し郵送した
世間との関わりを再開したせいか少し気分が上がり
料理をすることにした
常備菜を作っておこう
ひじきの煮物、きつね色に揚げたさつまいもで大学芋、それから小豆を煮てあんこを作った
どれも好きなものばかり
こんな時はきっとみんな自分の一番好きなことをしてる
大好きなあの人は歌を作っているだろうし
お腹に新しい命を宿したあの人はお腹を優しくなでているだろう
私は料理を作る 写真を撮りたいとは思わなかった
ニュースを見るのはほどほどにして
じっと心に耳を傾ける
自分の生きる力を信じること
みんなの生きる力を信じること
心が折れそうなときはしばしぼんやりした後に大好きなことをするといいね