2010年12月27日月曜日

クリスマス・イヴ


クリスマス・イヴは上野家にお邪魔した
この家の次女のキヨリは古い友達でこの冬はローマにいて帰ってこない
だけどよかったらご一緒に、とご家族にお誘いいただいてとてもうれしかった

仕事帰りに吉祥寺の駅で四女のカンちゃんと待ち合わせる
長身の彼女は遠くからでもすぐに分かる
一段と美しくなっていてまぶしく輝いて見える
クリスマス・イヴの夜は一段と冷えてきた
タクシーを待つ間立ち話をする

「展覧会のお礼のはがきの詩がとてもよかったです。」とカンちゃんが言う
夏の展覧会に来ていただいた方にお送りした葉書に書いた詩のこと
そんな時真冬の町に立つ私に真夏の記憶が盛り上がっていっぱいになる
つらく悲しかった夏のことを思い出し、詩を誉めてもらったうれしさとない交ぜになって涙が出てきた
「なんか思い出してしまった。」と涙をふくと
驚くカンちゃんの目にも涙が。姉妹そろって涙もろい。

気を取り直してタクシーで暖かなお宅へ到着
ろうそくに灯を点してシャンパンをあけディナーの始まり
マミーの手作りのお料理の美しく美味しいこと!
優しいイエローのにんじんスープ、鳥の丸焼きはホナミさんが解体の担当
アサカさんは日本人形のような微笑みを浮かべてる
相変わらず賑やかな上野家の美女たちに囲まれ
心が満たされた

離れていてもみんながキヨリを思い一緒に食卓についているようだった

駅からの道のりを急ぎ足で歩きながら長かった今年を思った
でもやっぱり幸せな私だった



これがその夏の詩


「蝉が地面でお腹を見せる頃
夏は上空で秋とにらめっこ
追いかけてくるはじまりの予感に
振り返るのはぐっとこらえて
ひとり笑いの新宿御苑」


今年もありがとうございました。