2012年12月9日日曜日

教典






 

去年の今頃は心はフィンランドに飛んでいた
東京のクリスマスの華やかさから逃げたくて
そしてフィンランドの森の奥の奥の奥へ消えてしまいたい気持ちだった
本当に

そんなことを出発前にエリツィンに冗談ぽく言うと
「消えたらだめだよ!」

ヘルシンキではしゃんしゃんと裸の公共プールに行ったり
トナカイの美味しいステーキを食べたり
しゃんしゃんがお仕事の時はひとりで路面電車に乗って
行ったことのない町のパン屋さんを目指して迷子になって人に助けられた
道を尋ねた美しいマダムに「とてもきれい。写真を撮っていい?」と聞くと
「私はもう若くないから」ととても悲しそうな顔をした
私の顔をじっと見ていた「まだ若いあなたにはわからないでしょうけれど」
と言われているようだった
確かにその人は私よりは年上だったけれど美しかったのに

一年経って
東京のクリスマスの華やかさもなんのその

暗くなんかなってはいけなーい!

隣人のしょうちゃんは最近失恋したばかりで
クリスマスについて、溜息をついてばかりいる
あぁすればよかった、こうすればまた戻れるか、いろいろいろいろ
わかるわかるよ

それで、昨日気分転換に一緒に映画を見に行った
取材でいただいたチケットで『悪の教典』(貴志祐介原作、三池崇史監督、伊藤英明主演)
伊藤さん自らの胸ポケットからいただいた生暖かい2枚のチケット

もー、これが怖くて怖くて、最後の方はずっと両手で顔を覆ったまま、炸裂する猟銃の乱発音を体中に浴び続けました
全身硬直、疲れた
映画が終わってスクリーンが真っ暗になり、会場が明るくなるまでの時間が長く感じられたこと!
心配しながら隣のしょうちゃんを見ると
「面白かったー!」と晴れ晴れとした顔
えー、ほんと?どこが?でもよかった
いえ、伊藤さんの演技はほんと、すごかったです